文字サイズの変更
 「ととろ」バス停のある宇目町       (大分バス 木浦線)

大分バスの『ととろバス停』にトトロがやって来た?
(大分合同新聞平成12年10月27日朝刊より)

素朴なバス停『ととろ』は国道326号、三重町から三国トンネルを抜けて宮崎県延岡方面へと延びる。その国道と宇目町南田原で分かれ、日ノ影方面へ向かう旧国道を1.5キロほど入ったところにあります。
  
終点の木浦鉱山までバスが開通したのは昭和24年4月5日のこと。もちろんバスは木炭が燃料のボンネットバス。
轟(ととろ)地区8軒の人たちが総出で手作りのバス停を作ったのは、開通から10年後のことだった。その後、40年間、小さな通過点にしかすぎなかった『ととろバス停』が、今、注目を集めている。
 宇目町『ととろバス停』の近くの風景
ととろバス停の風景1 ととろバス停付近の風景2 ととろバス停の森を流れる小川の風景 ととろバス停の裏を流れる小川の風景

 『ととろバス停』訪れた印象を詠んだ短歌やメッセージが張られている。
 森で無心に遊ぶ子供たち。 緑のトンネルと澄んだ水の流れが迎えてくれる宇目町・轟地区訪れた人が記念に残したトトロ人形が、今では500ちかくになった。
大分バスの『ととろバス停』にトトロがやって来た?

『サツキ、メイ姉妹』の看板の右横にトトロの目のようなものが見える。
宇目町の観光スポット『ととろバス停』で観光客がバス停で撮った写真に、アニメ映画『となりのととろ』の主人公トトロの目のようなものが写っていた。
 同町では『トトロがバス停の様子を森からのぞいているみたい』と、大喜び。早速、道の駅「宇目」内の「レストハウスうめりあ」に写真を展示した。写真は札幌市在住の女性が六月、『ととろバス停』を訪れたと際に撮ったもの。・・・・・・
 
 大分合同新聞平成12年10月27日
 朝刊より


 沿線紹介 :・・・・大分バス木浦線終点 木浦
 古びた看板に木浦の歴史を知る
県道 日之影宇目線 終点 木浦バス停 MAP 当時の面影を残す終点、木浦集落のメインストリート 鉱山の歴史を刻んだ選鉱場跡

1.病院の電話番号も 3ケタという古い停留所看板。宇目町を訪れたら終点まで足を延ばしてほしい。
2.当時の面影を残す終点、木浦集落のメーンストリート。
3.鉱山の歴史を刻んだ選鉱場跡5

 『ととろ』バス停から、六つ目のバス停が終点、木浦鉱山である。ここは、『きうら』の古びた看板が残っている。安藤サトノさん宅の壁に残る貴重なもので、家の入口、左側には切符売り場があったそうだ。木浦鉱山は、傾山系を背に負う山峡の小さな集落である。鉱山の起源は古く、一説では保元二年(1157)とも伝えられている。開発当初は全く宝の山で、露天掘りに近い採掘で、鉱石が続々と掘り出されていたという。
 竹田岡藩による藩営時代には特に繁栄をきわめ、現在の大切峠九合目付近にある大切坑は、毎日二千人の坑夫が入坑して『千人間府』とよばれるようになった。銀・錫の産出はとくに素晴らしく、大切銀坑は佐渡、但馬、石見と並び、わが国の四大銀山の一つとして栄えた。当時は、現在よりも広い地域に町並みが発達していたと考えられ、『代官屋敷』や『馬方宿』の跡、それに長門町、金具町といった小字名が残ったいる。
(『宇目町誌』より)

 鉱山の盛衰とともに歩んできたのが、大分県民謡の『宇目の唄げんか』。この歌は子守歌ではあるが、娘たちが子守に疲れてくると唄げんかをして気分を晴らした・・・子をあやすというよりは、自分自身を”あやす”ための歌だった。昔の農村では、十歳になるかならないうちに子守奉公に出るという習慣は、きわめて一般的なこと。では、木浦のような山あいの集落から『奉公に出る』ならわかるが、『奉公に来た』のはなぜだろう。
それは当時、かなりの数の子守娘たちがこの地にきていたというから、木浦地方が多くの子守の労働力を必要としたからである。鉱山の繁栄とともに成長した唄げんかは、鉱山の衰えとともに伝承あるいは民謡となったのであろう。きうらバス停の安藤さんのご主人・隆さん(元木浦中学校教員・故人)も、人々の生活の中から消えつつあった『宇目の唄げんか』の掘り起こしに尽力された一人である。
 木浦鉱山が事実上閉山したのは昭和三十二年、古びた看板はそのころのもので、安藤さんが、大切に保存されている。

唄げんか大橋 長さ292b、湖面からの高さ約30b 宇目唄げんか大橋

 ふたたび南田原からバス路線をと別れて国道326号を南へ。
 堂間トンネルを抜けると、4千万トンの湖水をたたえた北川ダム湖が広 がる。北川ダムは日向灘に注ぐ五ヶ瀬川水系北川に、北川河川総合開発事業として昭和34年から 3年の歳月をかけて完成した。
 ダム完成とともに、役目を終えたのが『時間橋バス停』。
 
 時間橋とは戦前、延岡営林署のトロッコが傾山から北川へ木材を運ぶ際、単線上を離合するため時間調整をしたことからつけられたもので、そのレールもバス停も今はない。北川ダムに流れ込む本流北川と、中岳川が合流する地点に架けられた湖面橋が『唄げんか大橋』である。平成5年7月に完成し、全国のPC斜張橋としては7番目の大きさを誇る。逆Y字型の白亜の主塔2本と、斜めに張ったケーブルの幾何学的な造形美が、周囲の自然やエメラルドグリーンの湖面にみごとに調和し、絶好の観光スポットとなっている。
 この北川ダム湖周辺に、宇目町が整備を行った自然休養型観光地『うめキャンプ村』も人気を集めている。主な施設はレストハウス『うめりあ』、『農林産物直売所』のほかオートキャンプサイト、木造ケビン(17棟)・多目的広場・炊事棟などを完備しています。
 
 九州山地の大自然に囲まれた宇目町、沿線には『トトロ』がいてもおかしくないような風景が続く。トトロは人の心に生きる動物。小さなバスストップが人々にうける背景には、宇目を訪れたとき、『忘れかけていたもの』、『気づかなかったもの』を強く感じるからであろう。

レストハウスうめりあ うめキャンプ場
唄げんか大橋のすぐそばにある、レストハウス『うめりあ』と『うめキャンプ村』

[このページを閉じる]
Copyright2007 OITA Bus Company. All right reserved